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安倍政権誕生に期待する(5)
「畏れ」を知る保守政治家
| 株式会社日本文化チャンネル「桜」 |
| 代表取締役社長 |
| 水島 総 |
その人は、落ち着いた口調で即座に答えた。
ずばりと、私が皇室典範改定について聞いたときである。「極めて慎重にする議論なんだろうな、と思います。やはり、皇室の歴史は長い歴史がありますね。で、その歴史の中で、その今までの守ってきた慣習を変えていく、ということについてはですね、これは畏れを持ちながら、考えていく必要があると思います。傲慢な気持ちでですね、考えてはいけないと思います」
平成17年10月17日、自民党本部総裁応接室で行われた当時自民党幹事長代理だった安倍晋三氏へのインタビューの一部である。その頃は、まだ皇室典範問題が、大きく騒がれてはいなかったが、衛星放送「日本文化チャンネル桜」では、安倍氏に、他の話題も含めてインタビューお願いし、対談インタビューが実現した。ほとんどぶっつけ本番状態で、私は安倍氏に様々な質問した。安倍氏の答えは、いつものソフトな口調だったが、的確で慎重、明快で筋の通った説得力ある話し振りだった。皇室問題について、「畏れ」を持ちながら考えていく必要があると聞いたときは、ううん…これは只者ではないぞと、正直、感心し、嬉しかった。やっと、ついに、本物の保守政治家が、祖国日本に現れたかと、感動したのである。開局して約二年、我が「日本文化チャンネル桜」には、これまで百人を超える国会議員の皆さんに出演をいただいている。しかし、かくのごとき応答の出来る方はいなかった。いや、確かに、安倍氏のごとく、弁舌鮮やかに説得力のある応答の出来る方はおられた。しかし、同時に「誠実さ」を感じさせる人物はいなかった。
「畏れ」を知る人物とは、西欧近代主義的な理念や思想を超えて、我が国の歴史と伝統の重みを感受できる人物である。本物の保守政治家とは、単に、今生きて生活し一票を持つ国民に対してだけ責任を持つのではなく、長い過去に生きた無数の祖先をも同等に、一票を持つ国民だと意識できる政治家である。「畏れ」はそこから来る。また「畏れ」は、今ある自分と国民を「有限で限界ある存在」だと自覚できることを示しており、極めて「現実的」な政治家であることの証左にもなっている。歴史と伝統を踏まえ、長期的戦略的な視点とリアルポリティクスを兼ね備えた政治家こそ、今、大転換期にある日本が必要とする人材である。
時代が安倍氏を創るのか、安倍氏が時代を創るのか、いずにせよ、戦後日本の大転換期を、幸いにも私達はこの若きリーダーと共に乗り切らんとしているのである。 |