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防衛庁の「省」昇格で何が変わるのか


 防衛庁の省昇格関連法案の審議が今週からようやく衆議院安全保障委員会で始まった。昭和29年に発足した防衛庁の省昇格を巡っては、政府が昭和39年、関連法案を閣議決定しながら、社会党などの野党の強い反発で国会提出を見送った経緯がある。
 政府与党は関連法案の今国会での成立を目指し、来年1月から防衛省に移行する予定だ。
 関連法案は1,防衛庁を防衛省に、防衛庁長官を防衛大臣とする2,防衛施設庁を平成19年度に廃止し、防衛省に統合する3,自衛隊の国際平和業務や周辺事態への対応を「付随的任務」から「本来任務」に格上げする――などが主な内容となっている。
 防衛庁は現在、内閣府の一外局に位置づけられているため、内閣府の主任大臣である総理大臣を通さなければ、防衛庁長官が重要案件を閣議にかけたり、財務大臣に予算要求すらできないのである。一方、国際平和業務を本来任務にすることで、国際平和への日本の取組みを内外に明確にすることにもつながる。
 久間防衛庁長官は、11月9日の衆議院安全保障委員会で、「自衛隊が海外に行く任務も増えてきた。単なる自衛隊の管理業務を行う官庁ではなく、国の平和と安全をどうやって守っていくのか判断する政策官庁として重要性は増している」と述べている。
 国際社会は米国一極集中から多極化に進む中、安全保障環境も大きく変わろうとしている中、日本だけがいつまでも自衛隊に対して中途半端な役割しか付与しない体制では、中国の軍拡、北朝鮮のミサイルや核武装に対処することは出来ない。
 さらに付け加えるならば、今回の「省」昇格によって防衛省へと名称が変わるが、本来であれば国防省という名称にするべきであり、自衛隊も国防軍(軍隊)に変えるべきである。防衛省では相変わらず、日本の安全保障は米国任せ(日米同盟への依存)のようなイメージが強く、自分の国は自分で守るという意識が国民の間に芽生えてこない。内部部局(防衛官僚)と制服組(自衛官)との関係見直しも必要となってくるだろう。
 「省」昇格をきっかけとして、戦後の日本の安全保障に対する硬直した思考を修復し、新たな安全保障議論が巻き起こることを期待したい。