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日本の海洋政策の脆弱性
日本の国土面積は38万平方キロメートルで世界第59位とっている。ところが1994年に発効した国連海洋法条約によって、沿岸から200海里を、他国が手出しできない自国領(排他的経済水域:EEZ)とすることになった。このおかげで東西南北に点在する島を持つ日本の海の面積は約447万平方キロメートルになり、世界第6位の広さになった。国土面積の実に11倍以上の面積だ。
ところが、この広大な水域を警備(守る)する海上保安庁は地上勤務も含めて定員が1万2000人、海上自衛隊4万5000人しかいない。ちなみに東京都の治安を預かる警視庁の警察官の数は4万人以上であることを考えれば、いかに人員が少ないかということがよくわかるだろう。
そればかりか、我が国には広大な海を管理するための法律や領海侵犯を処罰するための規定がない。国連海洋法条約では、どの国の船も沿岸国の安全などを害しない限り、その領海を通過する権利(無害通航権)が認められている。しかしこれに違反した船舶を処罰する規定が我が国の領海法にはないため、北朝鮮の工作船が平成11年に能登半島沖に出没した際、海上保安庁は「漁業法違反容疑」で工作船を追跡するという苦肉の策を強いられることになった。
法の不備に加えて、我が国には海洋問題に関わる政府機関が9省庁16部局にまたがり海洋政策を一元的に扱う部署が政府内にない。そのため、海上輸送、エネルギー、水産、海底資源、領土、防衛などの個別の政策はあっても、これらを国家的戦略に基づいて運用する体制が構築されていない。
領土問題に関しても、戦後、ソ連に南樺太、千島列島、北方4島を奪われたままだ。さらに1952年、日本が国際社会に復帰する直前、韓国は「李承晩ライン」を宣言して、竹島の領有権を主張し、今日に至るまで武力占拠を続けている。一方、中国は尖閣諸島、沖の鳥島を虎視眈々と狙っている。中国の東シナ海でのガス田開発、中国潜水艦による日本領海侵犯事件から考えれば、中国の次の行動(領土的野心)に我が国は備えなければ取り返しのつかないことになるだろう。
日本は海洋国家として、国益に沿った海洋政策(海洋政策基本法の制定等)の確立、海洋に関する多様な脅威への備えを急ぎ、真の海洋立国を目指すべきである。 |
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