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今年、台湾はどうなる
昨年の台湾における世論調査では「移住したい国」「最も立派だと思う国」「旅行したい国」の第1位を日本が占め、これまで第1位だったアメリカを逆転している。国別好感度調査でも、日本が第1位となり、続いて米国、韓国、中国の順となっている。
一方の日本も、台湾からの観光客に対するノービザ措置や国際免許証の承認方針を打ち出すなど、台湾を「統治の実態」として容認しつつある。
まだまだ例証はあるが、日本と台湾は国交がないにもかかわらず、現在の日台関係は最良の状態にある。
中でも日本政府の姿勢として注目すべきは、新年早々の1月4日、2005年2月の日米安全保障協議委員会が共通戦略目標に掲げた「台湾海峡問題の平和的解決」の具体化について、この2月から日米の外務、防衛当局者が中台有事に至る複数のシナリオ研究に着手すると報道されたことだ。
このシナリオ研究では、台湾の独立宣言や中国側からの武力行使など複数の可能性も探るというのだから、まさに画期的と言ってよい。すでに対処計画の前提となる有事シナリオ研究から始める段取りについて、首相官邸は了承を与えたという。
では、翻って台湾の情勢はどうかというと、2004年3月の総統選挙で民主化を進める陳水扁氏が僅差で連勝したものの、その年12月の立法委員(国会議員に相当)選挙では野党連合が過半数を制し、陳政権は1期目に続いて少数与党となり運営は困難を極めている。
それに加えて起こったのが、陳総統の周辺で起こった金銭トラブルである。これで陳総統の権威は失墜し、権力の一部を行政院に委ねざるを得なくなった。
昨年12月の市長選挙では、これまで通り台北市は国民党、高雄市は民進党が制し、この「現状維持」を歓迎する向きもある。だが、これで台湾の政局はまったく動かなくなった。逆に、民主化勢力内部に亀裂が生じてしまったのである。
今年12月には、初の小選挙区制を導入して定数を113議席に半減する立法委員選挙があり、来年3月には総統選挙が予定されている。台湾の将来はこの両選挙の結果にかかっている。今年の台湾はまさに剣ヶ峰に立たされていると言ってよい。
実は安倍内閣になってから、台湾に対していろいろなシグナルが出されている。例えば、昨年10月の訪中もその一つだが、10月末の中川昭一・自民党政調会長と陳総統とのテレビ会談、11月の森前首相の訪台、シンガポールに設立された海賊情報共有センターへの対応などである。先に触れた日米共同対処計画もやはりその一つと考えてよい。今国会で成立が予定される海洋基本法も、少なからず台湾と関わっている。
果たして台湾は、集団的自衛権の行使を視野に入れた安倍総理からのシグナルを正確に受け止めてくれるだろうか。期待しつつ見守りたい。 |
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