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主張する外交・安全保障体制を目指して


 東シナ海での石油・ガス田開発作業などの安全確保を目的とした安全水域法案と各省庁横断で海洋政策に取り組むための海洋基本法案が4月3日の衆議院本会議で自民、公明、民主などの賛成多数で可決された。
 一方、政府は5日、集団的自衛権の行使に関する有識者会議を月内に立ち上げる方針を決めた。安倍総理はもともと「現行憲法でも集団的自衛権の行使は可能だ」との見解をとり、政府解釈の変更を主張してきた経緯があり、有識者会議の設置は、「戦後レジュームからの脱却」を目指し、日米同盟の双務性を高めたい安倍総理の意向によるものだ。
 続く6日、政府は閣議で、日本版「国家安全保障会議」(NSC)新設のための安全保障会議設置法改正案を決定、国会に提出した。法案は形骸化が指摘されている現行の安全保障会議を抜本的に改組するものであり、NSCの新設は官邸主導で機動的な外交・安全保障戦略を立案することを目的としている。
 最近の中国の軍拡・東シナ海での活動の活発化、北朝鮮の核・ミサイル開発を考えれば、我が国を取り巻く情勢は東西冷戦構造時代よりも厳しい状態にある中、ようやく「主張する外交」体制が整いつつあると言える。
 また久間防衛大臣は衆院安全保障委員会で、軍事使用が認められていない下地島空港(沖縄県宮古島市)について「県、議会、地元の状況が許されるなら(自衛隊が)使うことにやぶさかではない」と述べ、地元の合意を得て使用可能となることが望ましいとの認識を示した。下地島空港が中国や台湾に近いことから「これから先、緊迫してきて(自衛隊戦闘機の)スクランブル(緊急発進)をかけなければならないような状況が出てきた時、下地島空港はいい場所にある」とも述べた。緊急事態時に自衛隊機を一時的に移駐させることを念頭に置いたこの発言は安倍政権の対中国に対する強い意思表示を物語っている。
 中国が公表した国防予算は1989年以降、19年間連続で10パーセント以上の増額を続けている。2006年の公表国防予算も2838億元(約350億ドル/4兆8300億円)となっている。多くの国際的な戦略研究所の推定によれば、外国製兵器の購入、兵器の国産開発、更新などを合算すると、中国の実際的な軍事支出は中国政府が公表する2〜3倍になるとされ、日本の防衛費の2〜3倍と見られている。
 中国は既に1997年から日本に対して、24発の核弾頭ミサイル(東風21)を配備し、台湾に対しても780基以上の弾道ミサイルを配備していると言われており、加えて新たに開発した巡航ミサイルを100個以上、東シナ海と台湾を睨んで配備している。世界最大の兵数を誇ってきた陸軍の兵員を大幅に削減する一方で、徹底的な軍の近代化政策のもとに、原子力潜水艦の開発を促進して7隻を保有するとともに、中性子爆弾の開発に成功するなど、戦略的兵器の開発に国家エネルギーを傾注してきている。
 北朝鮮の核・ミサイル問題を議論する6者協議も北朝鮮の引き伸ばし戦術で解決の糸口が全く見えず、日本に対する脅威が続いている。
 一朝事があれば自分の国は自分の力で守るだけの防衛能力(法整備)がなければ外交・安全保障は成り立たないことは歴史が証明しており、「主張する外交」こそが日本国の独立と主権を守ることに繋がり、東アジアの平和と安定にも貢献するのである。