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温家宝首相の国会演説と台湾の地位
中華人民共和国(以下・中国)の温家宝首相は4月12日の国会演説で、台湾問題に触れ、「台湾問題は中国の核心的利益にかかわる。台湾独立は絶対に容認しない。日本側には台湾問題の高度な敏感性を認識し、約束を厳守し、慎重に対処するよう希望する」と述べた。
中国は昭和29年(1954年)以降、台湾の領有権を主張し、「台湾の軍事統一を放棄しない」と、ことあるごとに強調しており、温首相の演説もその延長線上にあると言える。
しかし、中国は建国以来、台湾に国家権力を行使したことはなく、主権上は、中国と台湾とは無縁な関係であり、中国による台湾統一という主張(行動)は、法律上、根拠がなく、台湾に対する侵略行為に等しい。
台湾は清国の領土であった歴史はあるが、清国は漢民族とは異なる満州民族の国家であった。中華民国の創立者である孫文が革命で打倒の対象とした国家でもあり、清国にとって台湾は中華文明のそれより外の地域で、野蛮人の住む化外の地だった。つまり清国にとっては中国の外の地という認識であった。
大東亜戦争後、連合国は蒋介石政権に台湾を占領させ、中華民国が一方的に領土に編入した。その後、蒋介石政権は毛沢東との戦いに敗れ、中華民国は台湾に逃れて存続したかたちになった。つまり歴史的には、中国の領土になったことは一度たりともないのである。
台湾問題(地位)は日本の安全保障に密接にかかわる問題でもある。中国が台湾を軍事統一(侵略)すれば、中国は太平洋に面した国家となり、南シナ海、バシー海峡、台湾海峡、東シナ海という日本の海洋航路の重要な拠点をおさえることになる。日本にとって台湾はシーレーンの生命線であり、台湾有事は日本有事という認識を持つべきである。
しかしながら、温首相の国会演説に、ほとんどヤジ一つ飛ばさず、神妙な顔つきで拍手喝采する日本の政治家の態度からは、台湾有事に対処する(強固な意思)気概を感じることは出来なかった。 |
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