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「日本語」教育再生に向けての試み


 東京都世田谷区は語彙や表現能力の不足、日本人としてのアイデンティティの欠如が著しい現在、物事を熟慮し、次世代をになう人材を育成することを目的として、教科「日本語」創設を特区申請し、平成16年12月8日に「日本語」教育特区に認定された。
 世田谷区は平成15年度から「美しい日本語を世田谷の学校から」を合言葉に、区内すべての幼稚園・小中学校で、挨拶や読み聞かせ、スピーチなどを日常的に実践してきた。今回の特区はこの延長線上にある。
 今年4月から実際に、区内の全小中学校で週1〜2時間、暗唱や討論、日本文化を体験する授業が始まり、若井田正文教育長は「名文を鑑賞するだけでなく、『美しい日本語』は自ら作り出すもの。きちんとした日本語を身につけさせることは、全人的な教育につながると考えています」と抱負を語っている。
 また実際の授業では、小中学校の9年間を通じ(1)「語彙の習得(2)古典、漢文、近代の名文、詩などの学習(3)思考力・表現力の育成(4)日本文化の理解(5)国際人としてのマナーの習得を重点的に行うとしている。
 そもそも教育特区とは、構造改革特区の一つであり、学習指導要領によらない教育課程を組める仕組みとしては文部科学省の研究開発学校制度があるが、これを自治体独自の発想でさらに柔軟に運用できるようにしたものだ。世田谷区以外の主な特区としては、小中学校一貫で日本語と英語のコミュニケーション力を高める静岡県沼津市の「言語科」や、体験活動を通じて伝え合う力や公共心を学ぶ熊本県富合町の「生き方創造科」などの教科が生まれている。
 世田谷区に話を戻すが、上島よしもり区議会議員によると、今後は、「書道教育」や、「日本語の正しい発音」等を含め総合的に発展させていきたいとしている。
 世田谷区の「日本語」教育再生に向けての試みが成功することを期待したい。