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李登輝前総統の来日を歓迎する


 台湾の前総統・李登輝氏が5月30日から来日している。来日は平成16年12月以来となる。今回は念願の「奥の細道」の訪問、「第1回後藤新平賞」の受賞式(6月1日)を含め3回の講演や、最終日には記者会見も予定されている。
 日本政府は過去には、中国に顔色をうかがってきた外務省の媚中派チャイナスクールによって、李登輝氏へのビザの発給を拒んだことがある。しかし、今回の来日に際して、安倍政権は中国の懸念(抗議)を跳ね除け、講演の内容にも一切口を出さないという態度をとっている。
 そもそも李登輝氏は日台関係を考える上で、なくてはならない存在であり、日本人以上に戦前の日本の素晴らしさや、日本精神を理解している台湾人の一人である。
 ここに一つのデーターがある。2006年7月、台湾の雑誌「遠見(グローバルヴユー)」が、20歳以上の1000人を対象にしたアンケートによると、(1)旅行したい国は1位・日本(52.7%)、2位・アメリカ(28.2%)、3位・中国(17.2%)。(2)留学したい国は1位・アメリカ(49.8%)、2位・日本(31.3%)、3位・イギリス(26.4%)。移住したい国は1位・日本(32.3%)2位・アメリカ(29.7%)、3位・カナダ(26.5%)。尊敬する国は1位・日本(47.5%)、2位・アメリカ(40.3%)、3位・中国(15.8%)。
 「留学したい国」を除けば、いずれも日本が1位の結果であり、いかに台湾の人たちが日本に対して憧れと期待を持っているかの現われだ。
 そうゆう中での今回の李登輝氏の来日は、大変意義があり、今後の日台関係の発展に大きく寄与するだろう。
 4月に来日した中国の温家宝首相は国会演説で、台湾問題に触れ、「台湾問題は中国の核心的利益にかかわる。台湾独立は絶対に容認しない。日本側には台湾問題の高度な敏感性を認識し、約束を厳守し、慎重に対処するよう希望する」と述べ、日本政府を牽制したが、日本は台湾独立を支持し、台湾との連携を深めることが、台湾の人たちとの相互理解・関係強化にもつながり、日本の安全保障にも有益だ。
 いみじくも、李登輝氏が6月3日、産経新聞との会見で「中国人のしたたかさを日本人はあまり知らない。知っている人もいるが、利益にとらわれ、生ぬるくなる。国がどうなるかをあまり考えない。このような時勢の中でこそ、思い切って新しい方向付けをするリーダーシップが求められる。日中関係は今こそ大きく動かさなければならない。頼りだったアジアにおける米国の影響力が低下しており、ならば日本は中国にどう対応するか。強大な胡錦濤(総書記)には警戒が必要で、表面的にはいい関係をつくりながら、キーポイントでは相手に妥協させる“賢さ”が大切だ。相手を知り、決して受け身になってはならない。日台の関係強化のためにも、首相にはアジアで中国に対抗するイニシアチブを握ることを期待する」と述べているが、この発言こそ、日本がとるべき対中外交の方向性をハッキリと示しており、貴重な助言といえる。
 日本の良き理解者である李登輝氏のこの発言の意味するところは大きい。最後に李登輝氏に感謝申し上げたい。