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小沢民主党代表は、日本人でなく「国連人」?

 10月30日午前、内閣総理大臣である福田康夫自民党総裁と、民主党の小沢一郎代表との党首会談との間で党首会談が行われた。福田氏は小沢氏にインド洋での海上自衛隊の補給活動継続のため新テロ対策特別措置法案の成立へ協力を要請したが、小沢氏が活動は憲法に反するとする従来の考えを強調して同法案に反対し、会談は平行線に終わったとのことである。

 小沢氏は月刊『世界』本年11月号に「今こそ国際安全保障の原則確立を 自衛隊洋上給油活動―どう考えるべきか」なる文章を寄稿し話題を呼んだ。概要としては目下行われている自衛隊のインド洋上での給油活動は憲法違反なので不可とする一方で、国連の活動に積極的に参加することは武力の行使を含んでも憲法には抵触しないとして、政権担当も視野に入れつつアフガニスタンのISAF(国際治安支援部隊)や他のPKO活動への参加について意欲を示している。

 『世界』という雑誌がこれまで示してきた国際社会観についてはここでは問わないが、興味深いことに当該論文は朝日新聞・産経新聞双方から珍しく同時に批判を受けることになった。特に自衛隊のISAF参加の件について前者は社説で「国連決議があれば自衛隊が戦闘に参加してもよいというものではあるまい」、後者は〈産経抄〉で「テロリストから攻撃される心配が少ないインド洋上の補給活動と比べれば危険度は月とスッポン」と論駁する。

 小沢氏の公式サイト(「政権政策」)では「専守防衛の原則に基づき、わが国の平和と安全を直接的に脅かす急迫不正の侵害を受けた場合に限って、憲法9条に則り、行使する。それ以外では武力を行使しない。」とされているが、そもそも自衛隊の国連軍への参加自体が言うまでもなく「憲法」制定の時点で想定されていなかったため、それこそ拡大解釈による詭弁であるとの謗りを免れないであろう。併せて小沢氏は集団的自衛権行使について無制限な適用の可能性を危惧しているが、小沢氏のように国連(決議)のみを根拠に合憲とする判断も甚だ筋が通らぬものであると言わねばなるまい。

 湾岸戦争時の1991年、小沢氏は与党自民党の幹事長として現地への補給艦派遣などを強く主張したが容れられず、結局日本は多国籍軍に対し130億ドルもの資金援助をしたもののクウェートや国際社会から感謝されなかった。その際の小沢氏の忸怩たる思いは察するに余りあるが、そうした「湾岸戦争のトラウマ」(『WiLL』本年12月号潮匡人氏)を乗り越えて国連ではなく我が国に軸足を置いた国際貢献の対案を提示して頂きたい。そしてこれは特に安全保障関係のイシューであるので当然のことであるが、「憲法に反する」のであればこそ当の憲法の方には問題はないのかについても建設的議論を次回会談では是非行って頂きたい。