|
|
安保政策は、党派より主張の中身
11月2日、内閣総理大臣である福田康夫自民党総裁と小沢一郎民主党代表が予定通り再び党首会談を行った。自衛隊海外派遣のための恒久法制定についても協議されたようだが、むしろ「大連立」の噂の方に巷の耳目は向きつつある。かつ「密室会談」とも揶揄され、両者の言い分の食い違いが表面化している。先週の「主張」でも御紹介した、国連決議を錦の御旗とする小沢氏の主張はどういう結末を迎えるであろうか。
ところで党首会談とは別に、朝日新聞社発行の月刊誌『論座』最新の12月号に「進路はどっちだ? 補給支援特措法案と日本の安全保障」と題した興味深い“与野党対談”――かの「しょうがない」発言がきっかけで辞任した自民党の久間章生(ふみお)元防衛大臣と、民主党副幹事長で党内きっての安全保障政策通である長島昭久衆議院議員――が掲載されている。見開きトップの長島氏「国際治安支援部隊の一員として、日本も人的貢献をすべきです」と久間氏「憲法に矛盾するような行動はとれません。こればっかりはしょうがない」とのコメントの対比はいささか煽動的であるが、議論の中身の方でも長島氏が一本取った形となっている。
長島氏が専門情報をベースとした具体的な主張を行っているのに対し、久間氏は(長島氏が「自衛隊から犠牲者が出なければそれでいい」という考え方を欺瞞としたことに対し)「そういう主張が民主党からどんどん出てくるなら、自民党あるいは与党の中でも応じる人はいると思います。ただそういう意見はたぶん通らないと思うんだな」、「もし憲法9条が変わったなら、国連の常任理事国入りを目指す国として、他国並みのことはしないといけないでしょう」といった非常に後ろ向きな発言が目立つ。それに対し長島氏は(多国籍軍への参加について)「法的にはできるようにする。しかし本当にやるかどうかは、ケース・バイ・ケースでその都度考える」べきとし、日米関係を重視しつつも小泉純一郎元首相のイラク戦争支持(2003年3月)に対しては「時には苦言を呈したり、忠告したりする」のが本当の同盟関係であると正論を述べる。
惜しむらくは長島氏側に小沢代表の理論の「是非はともかくとして」といった一定の歯切れの悪さが目に付く点であるが、日本の真の自立や国際貢献を望む保守陣営としては与野党双方の党首の議論が迷走する目下の状況の中で「国益」にかなう主張を見極め、応援してゆく必要があろう。拉致問題しかり、領土問題しかりである。 |
|
|