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“偽”の政策論議と手を切り、“真”の政治を取り戻そう

 我が国では民主党と自由党の合併直後に行われた平成15年11月の第43回衆議院議員総選挙以降、いわゆる「二大政党制」の時代に入ったといわれる。それにより(連立与党という実態はあるものの)国民による政権選択が可能となり、理論上は政治的な安定が期待できるはずとも言われた。これは本来、東アジアを取り巻く厳しい国際情勢を考えれば好ましい展開であったはずである。
 しかし、与党では「戦後レジームからの脱却」をうったえた安倍晋三前首相がメディアでは閣僚の不祥事などばかりがクローズアップされて挫折し、一方、野党では労組依存体制や反対野党からの脱却を掲げた前原誠司民主党前代表が不可解な騒動により辞任を余儀なくされるなど、健全な政策論争による二大政党制という構図には程遠いのが実情であった。
 そうしたなか、昨年7月の第21回参議院議員通常選挙では、政治が守るべき国民の「生命」「安全」「財産」のうち「財産」(年金問題・格差問題)のみが争点として極大化され、「国民の生活が第一。」なるキャッチフレーズを掲げた民主党が60議席を獲得して参議院第一党となった。ここには厳しい国際情勢をどう切り抜けるか、或いはいまだに解決の糸口すら見えぬ拉致問題(=国民の安全を今でも脅かし続けている喫緊の問題)にどう対応するかといった議論はほとんどなかった。メディア側の恣意的な操作により切り捨てられたともいえる。
 そして本年 ―― 民主党の小沢一郎代表は7日、党本部での仕事始めのあいさつで「自公政権を1日でも長く継続させるほど、多くの国民の生活は窮乏し、不安定さが増す」とし、衆院選を戦う意気込みを示した。同日、自民党の総務会では「立党以来最大の危機」がうたわれ、「党のすべての力を使い国民の『不安』を『安心』に変える」と強調した。
 民主党は参院選の際のマニフェストでも「3つの約束」として「『年金通帳』で消えない年金。」「安心して子育てできる社会。」「農業の元気で、地域を再生。」を掲げているが、相変わらず国際社会の中で見た我が国についての危機意識が微塵も見られない。せいぜい「7つの提言」の最後で「主体的な外交を確立する。」としているだけで、しかもその内容は「国連を中心に世界の平和を構築」「アジア諸国との信頼関係構築」など、何が“主体的”であるのかさっぱり分からない。
 一方自民党も、本年の重点政策の一部として「新憲法制定に向けた国民的論議の喚起」「自衛隊の国際平和協力活動推進」を掲げてはいるが、「党のすべての力を使い国民の『不安』を『安心』に変える」という方針は、ともすればメディアに操作された世論への迎合へと流れかねない。
 我々は、いずれの政権こそが確固たる意志をもって国家主権や国民の「生命」と「安全」を守ってくれるかということを強い危機意識のもとで判断せねばならない(もちろん、第三の選択もありうる)。本年こそ、有権者の目をはぐらかすが如き“偽”の政策論議とは手を切りたいものである。