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食料自給率を見直すべし
2月17日付産経新聞「産經抄」は、のちに首相となる池田勇人大蔵大臣の有名な「貧乏人は麦を食え」発言(昭和25(1950)年、ちなみに実際の発言は「日本人は皆同じものを食べているが、所得の多いものは米、少ないものは麦本位としたい」 ―― 今も昔も政府叩きの際のマスコミによる作法は変わらないということか)を紹介しながら日本の食料自給率について警鐘を鳴らしている。上記発言はもちろん、まだ戦後すぐの食糧不足やそれによる食料品価格高騰などが深刻な問題となっていた時分の話である。ただ米食が当たり前となっている現在と違い、往時は誰しもが米を口にできる状態ではなかったということはよくよく認識すべきであろう。つまりその頃は、「米」をこそ国民全員が口にできるということが日本人の悲願であったということである。
さてそれからほどなく、そして今に至るまでほぼ100%の自給率である米は別として、国内の食料生産量を見ると野菜が昭和57年度の1699万トンをピークに平成17年度は27%減少、魚介類も昭和59年度の1205万トンをピークに平成17年度は58%も減少している。一方で輸入量は同時期の比較で野菜は4・8倍、魚介類は3・3倍に増加し、増加率が比較的少なかった肉類の中でも豚肉も平成16年度以降輸入量が国内生産量を上回っているという。
経済産業省もこうした問題を重視し、食料自給率を上げるためのさまざまな取り組みを行っている。しかし経済学者の中には「食料自給率など重要ではない」「比較優位のない農産物を我が国で生産するのは不合理」といった意見が聞かれる。また、それとセットで「国際関係を良好にし、普段から輸入ルートを確保しておくほうが重要」といった指摘もよく聞かれるが、これは本末転倒というものであろう。
歴史上、食料の問題(名目上「問題」とされたケース含む)による戦争勃発や国際情勢の変動は枚挙にいとまがない。食料その他生活必需品などを自給できるか否かで我が国の国際社会における立場が変わるのは論をまたないし、自給できぬことで危機が訪れる可能性も否定できない。食糧事情などを踏まえて他国から見た我が国が「くみしやすい」かどうかという視点も重要である。食料自給率をめぐる国益は、決して経済的利害のみで計れるようなものではない。食料自給率の回復(上昇)は我が国喫緊の課題である。 |
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