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災害の際にこそ表出する国家の品格

 今月12日午後、中国で四川省ぶん川(ブンセン)県を震源とするマグニチュード7.5の大地震が発生した。死者が5万をこえる見通しという大災害で、救出作業が今も続けられている。中国側から「チベット騒乱」の“首謀者”として非難を受けながらも非暴力と対話を訴え続けているチベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世は13日、被災者に対し深い哀悼の意を示した。これを中国当局や日本の偏向メディアはどう受け止めているか。
 ところで、こうした巨大災害はその国の現状/人心があらわに表出するという結果をもたらす。まだ記憶に新しいハリケーン・カトリーナ(平成17年8月末)では、もっとも壊滅的な被害を受けたニューオーリンズでは当局により避難命令が出たにも関わらずそもそも避難手段をもたなかった貧困層の存在が明らかになり、また老人ホーム職員や刑務所看守が真っ先に逃亡したため死者が増大するなどの現象が起きている。
 さて今回の中国はどうであろうか。16日に胡錦濤国家主席が被災地入りしたが、1万人以上が依然生き埋め状態であるにも関わらず救援活動を撤収し始めているとのことである。また、共産党は国内主要メディアに対し「プラス面中心に報道を」と命じ、早速報道統制を始めていることも明らかになっている。では実際の現場はどうかといえば、全相は不明だが、わが国各紙が伝え始めているように被災者が支援物資奪い合い、運搬中の車に殺到するという様相を呈しているようでもある。
 救援隊が震源地に入ったのが発生後30時間以上経ってからであるという事実を考えれば被災者の苦難は察するに余りあるが、同時に究極的な国家・国民のあり方というものはこうした際にこそあらわれてくるものである。日本国内の「人権派」や、“生活が第一”と掲げる民主党の方々には是非この中国の現状をよく見たうえで今後の日中関係を模索して頂きたいものである。
 果たして、ダライ・ラマの祈りは届いたであろうか。