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皇室に関する世論喚起と宮中祭祀
先月30日、皇后陛下が皇居内の紅葉山御養蚕所で上蔟(じょうぞく=繭作りを始める直前の蚕を網に移す作業)をなされた。皇室と養蚕の関係は古代から続く。そうした古来の伝統に皇室御自らが関わられていることは大変意義深く、その事実が国民に伝わることでわが国はそもそもどういう国なのかということも想起させられる。その意味で、われわれ日本人は、皇室の伝統、とりわけその中核にある新嘗祭をはじめとする宮中祭祀に日頃より関心をもつべきではあるまいか。
月刊誌『諸君!』7月号では<平成皇室>特集の一環として渡邉允前侍従長が改めて両陛下の祭祀への真摯な取り組みを語り、また「われらの天皇家、かくあれかし」と題して56人に対し行われたインタビューでは思想を問わず多くの識者が宮中祭祀の問題を中心テーマとして述べている。その「識者」の中には、“宮中祭祀廃止”論で物議を醸した原武史明治学院大学教授も居る。原氏は数年来の皇位継承問題において早くから宮中祭祀に着目し、女系天皇容認論者は宮中祭祀の“問題”に決着をつけるべしと主張してきた人物である。氏や女系天皇容認論者の本来の意図はともかく、皇室の意義や位置づけを理解し尊重する者にとって、宮中祭祀はその要である一方、皇室廃絶主義者(その意図を巧みに隠しつつ発言している論者も含む)にとっての宮中祭祀は真っ先に縮小あるいは廃止させるべきものであるという構図がそこにはある。
皇室のあり方は一時の世論などから超然としているべきものではあるが、国民の意識もまた重要である。わが国に厳然と存在する皇室は、宮中祭祀に対する然るべき知識・理解や、断固守らねばならぬ「この国のかたち」と一体であるという認識の浸透を図ってゆきたいものである。 |
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