|
|
中国の“資源侵略”から目をそらしてはならない
わが国政府は今月よりアフガニスタン・スーダン両国への陸上自衛隊部隊派遣を本格的に検討し始めているという。そのうちスーダンについては比較的治安が安定しているとされた南部でPKO(国連平和維持活動)協力法に基づいた任務を想定しているが、スーダン国内で20年以上続いた内戦が終結したのも束の間、政府軍とSPLA(元反政府勢力スーダン人民解放軍)の対立がまた激化してきているようである。
この紛争の原因は南北境界線近くの油田地帯「アビエイ地区」(スーダンにおける石油生産量の半分近くを産出)をめぐる争いで、内戦が再開しかねない危険をはらんでいる。すでに5月中旬には政府軍とSPLAの間で双方に多数の死傷者の出た激しい交戦があり、国連によると約9万人の国内避難民が発生している。
このように油田などの資源問題が理不尽な紛争を発生させる原因ともなることは、目下中国との間で東シナ海の海底ガス油田開発につき係争中であるわが国は重々認識しておくべきことである。昨年4月に成立した「海洋構築物等に係る安全水域の設定等に関する法律」によりEEZ(排他的経済水域)での試掘などが可能となったものの、安全水域内での中国側による妨害の際の安全確保についての明確な定めがなく(つまり「安全水域」自体存在しないに等しい)、また中国側は相変わらずわが国との共同開発について尖閣諸島周辺と日韓大陸棚共同開発区域という主張を譲る気配はない。
言い換えればこれは、中国側は増強中の軍事力を背景として国際裁判所による審判を避けつつ、理不尽な行動及び要求を行っている。そしてそれに対してわが国は毅然とした態度を取ることもなく、またわが国の国益を守る或いは国益を守ろうとする者を守るための法整備すらろくに進んでいないという状況である。
附言すれば同じスーダン国内でのダルフール紛争に対して中国は本年初頭にPKO部隊を派遣したが、そのスーダンの石油利権をほぼ独占状態し、また武器輸出を行って紛争を激化させたのは他ならぬ中国である(こうした行為に対し、欧米主要諸国は既に強い非難を行っている)。
かくのごとき利権漁りと「紛争解決」を独り相撲で行っている中国、今度は東シナ海で同様の動向を見せ始めたらどのような事態になるか ―― われわれ日本国民はかの国による“資源侵略”をもっと注視し、事態打開のために声を挙げてゆかねばならない。 |
|
|