8月末に発表が予定されていた新安保懇の報告書の取り扱いが宙づりになっているという。新安保懇は、一年延期となっていた新たな「防衛計画の大綱」策定のたたき台を作るべく設置された懇談会で、今年2月から審議をはじめ、7月には報告書がまとまっていたのだが、その内容が民主党の方針と大きく違っているために官邸が取り扱いに困っているのだという。
新安保懇は鳩山内閣の肝いりで作られ、電鉄会社のトップが会長となるなど、その報告内容が民主党べったりになるのではないかと危ぶまれていたが、予想に反して立派な報告書案をまとめた。
報道されている報告書案(骨子)によれば、「非核三原則で米国の手を縛ることだけを決めておくことは賢明でない」(つまり「非核三原則」見直し)、「基盤的防衛力構想はもはや有効でなく、高い運用能力を兼ね備えた動的抑止力を構築」「武器禁輸政策を見直すことが必要」「集団的自衛権は柔軟に解釈や制度を変える必要がある」など……防衛政策の喫緊の課題を真っ正面から取りあげている。
「学べば学ぶほど、海兵隊が抑止力出あることが分かった」と言った総理が辞めたと思ったら、今の総理は「改めて法律を調べたら自衛隊に対する最高の指揮監督権を有していた」と言ってのけた(8月19日)。自分が自衛隊の最高指揮権をもっていたことを知らなかった総理には呆れ果てる。そんな総理が、この新安保懇のまともな報告書を無視するのか、握りつぶすのか、注意して見ておきたい。