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東アジア共同体」の名を冠した東アジア“信用破壊”外交

小欄でもすでに述べた通り「東アジア共同体」構想を掲げる鳩山政権。今月7日岡田克也外相がその構成を「日本・中国・韓国・東南アジア諸国連合(ASEAN)・インド・オーストラリア・ニュージーランドの範囲で考えたい」としアメリカを加えない考えを表明、米オバマ政権や論壇では「アジアにおける米国の影響力を弱体化させる恐れがある」との懸念が強まっている。シンガポールのリー・シェンロン首相のように“アジア”側からも的確な疑念が上がっている。

先般の総選挙を前にした7月末出された『民主党の政権政策 Manifesto』では、「7 外交」に全5項目<①緊密で対等な日米関係を築く ②東アジア共同体の構築 ③北朝鮮の核保有を認めない ④世界の平和と繁栄を実現する ⑤核兵器廃絶の先頭に立ち、テロの脅威を除去する>が並ぶ。ここで最初に掲げられているのは<日米関係>であり、また鳩山氏自身も就任会見で東アジア共同体構想から「米国を排除するつもりはない」と言明している。ところが実際の友愛外交では、それを飛び越す形で<東アジア共同体>が頭をもたげてきているようである。東アジア共同体を「机上の空論で終わらせたくはない」という鳩山首相や岡田外相に、③のいちばん最後で触れられている<拉致問題解決>を浮上させる気配は目下見受けられない。

同盟相手に対するいわれなき無体が国際的信用を傷づけるのは言うに及ばず、罪もなき一般国民が他国に誘拐同然に拉致されている問題を等閑に附したまま、その国との関係が疑われる中国の尻馬に乗る形で「共同体」構想に精を出すとはなんとも情けない話である。

さらに岡田外相が上記の如く具体的な構成国を列挙することは、とりもなおさず「(構成国に含まれない)台湾・チベット・ウイグルで起こっていることは中国の国内問題です、日本は口出ししません」と表明しているようなものである。後世から「中国による抑圧・虐殺にくみした国」と見なされるような汚点だけは絶対に残してはならない。