中国の意向で天皇陛下の外国交際の原則をねじ曲げた民主党
今月11日、小沢一郎民主党幹事長が名誉団長を務める600人以上の民主党訪中団が北京市内の各地を視察した。小沢氏は梁光烈国防相との会談で中国の軍拡に強い懸念を表明したものの、胡錦濤国家主席との会談では自らを「中国人民解放軍の野戦軍司令官」としたうえで「解放の戦いはまだ済んでいない。来年7月に最終決戦がある」などと、天安門事件で民主化を求める多くの学生を蹂躙した人民解放軍に自らを例える“離れ業”をやってのけた。参議院選挙では「解放」という名目でさらに民主主義を破壊してゆくつもりであろうか。さらに小沢氏は翌12日に韓国での講演で、在日外国人への地方参政権付与法案を来年の通常国会で成立させたい意向を表明した。与党最大の実力者とはいえ、政府外の本来何ら公的な権限をもたない人物が関係国でこのような行動をとることについては良識を疑わざるをえない。
しかし民主党政権の傍若無人ぶりは、一般国民の目の届かぬ海外だけにとどまらなかった。11日に明らかになったところによると、中国政府が14日に訪日予定の習近平国家副主席が天皇陛下に対し特例的に会見できるよう昨月26日から日本側に求めていたようである。そしてこともあろうか鳩山由紀夫首相は小沢氏の働きかけを受けて平野博文官房長官にその実現に向けての検討を指示し、平野官房長官は7日・10日の二度にわたって「日中関係は重要だから」と羽毛田信吾宮内庁長官に会見実現を申し入れた。
これはつまり、会見は1か月前までに申請が必要という決まりの背景である天皇陛下のご健康よりも中国のご機嫌取りを堂々と優先させようとしているということである。メディアがほめ上げる「政治主導」の結果がこれでは、行き着く先は国体(わが国のかたち)の破壊である。「政治主導」といえば、首相に理不尽な要求を突きつけられた羽毛田長官にとっては「陛下の役割について非常に懸念する」「政治的判断としてお願いするのはどうなのか」と否定的見解を示しながらも、内閣の一員として「心苦しい思いで陛下にお願い」する結果となったという。「天皇陛下の政治利用」についても宮沢内閣期の平成4年、天安門事件後の天皇皇后両陛下御訪中という悪しき先例があるが、国際社会を閉口させたその教訓を踏まえてなおというのであれば鳩山政権の蛮行は確信犯である。また、小沢氏はもはやわが国の政治指導者ではなく、まさに人民解放軍の司令官になり果てた感がある。